のんびりまったりぷかぷかと
久しぶりのパラレル小説です。
長いです。
お前馬鹿だろ!!って位に長いです。
携帯での閲覧の方は頑張って下さい(え
出来ればパソコンでの閲覧を激しく推奨します。
では、よろしければどうぞー。
長いです。
お前馬鹿だろ!!って位に長いです。
携帯での閲覧の方は頑張って下さい(え
出来ればパソコンでの閲覧を激しく推奨します。
では、よろしければどうぞー。
かたかたとキーボードを叩く音が部屋の中に響く。
凪はノートパソコンのディスプレイを見ながら、淡々とキーを打ち込んでいく。
その作業が一段落した所で、僅かに視界にかかっている前髪に触れ、そして、べたっとした決して快くない、寧ろ不快な感触に思わず眉根を寄せて手を止めた。
そういえば、部屋にこもってどれくらい経っているのだろう、と思い、視線を右にずらす。
が、遮光性のカーテンがしっかりと光を遮っているので今が昼なのか夜なのか解らない。
カレンダーを見てもそもそもどれくらいの時間が経っているのか解らないので、今が何日か解るはず無い。
パソコンの時計は設定してない。
凪は溜め息を吐くと、充電しっぱなしで放置していた携帯を取ろうと立ち上がった。
――べしゃっ
「……」
歩き出そうとした瞬間、思いっきりこけた。
足の感覚がおかしい。
凪は憮然とした表情をすると、腕の力だけで這うようにして進む。あまり人に見せたくない姿ではある。
のそのそと携帯にたどり着き、電源を入れる。
しばらくして表示された日付に、凪は自分が3日もこもっていた事に少し驚き、まあでもそんな物かと、ゴミ箱の中に山になっている栄養剤の容器を見て思う。
凪は起きあがると、風呂に入ろうかと思い、そういえば3日寝てもいないのだったと思い出して風呂で寝るかもなぁと考えた。
そして再び床に倒れ込む。
しばらくして、定期的な寝息が聞こえ始めた。
「――ん」
目を覚ました時、凪はベッドの上にいた。
しっかりと閉めてあった筈のカーテンは開けられていて、月明かりがうっすら差し込んでいる。
凪はぼうっと起き上がり、辺りを見回す。
そして、何やら良い香りがする事に首を傾げた。
ここは凪の家では無く、ホテル――小さなキッチンが付いていて、少し長い出張の人などが利用するらしい――なのだ。
師匠である涼だろうかとも考えたが、直ぐに有り得ないと首を振る。
そろりとベッドから下りて、香りがする方を覗く。
「要……?」
凪が少し驚きながら台所に立っていた人物の名前を呼んだ。
要は鍋をかき混ぜていた手を止めて振り返ると、おはよう、と言った。
凪は一瞬面食らうと、
「あ、ああ、うん。おはよ。――じゃ、なくて、何でいるの?」
要には宿泊場所を教えていない筈だ。
言うと、
「涼さんが連れてきてくれた」
「……ああ」
「何かそのパソコンから涼さんがデータ抜いてってたぞ。依頼先に届けるって」
「……それは助かるよ」
凪は息を吐いて言った。
ここのホテルをとったのは涼だから、場所を知っていて当然だし、合い鍵か何か持っていてもおかしくは無いし。
そして、ちらっと要を伺う。
要は凪を見て、ため息を吐いて、
「で?お前は3日間、ここに籠もって何してたんだ?」
「…仕事」
「じゃ、無くてだな。訊き方変える。3日間何食った?」
「……栄養」
「何時間寝た?」
「……解んない」
「栄養剤食って睡眠0なんだな」
「……」
「お前なぁ…」
半ば呆れ気味の要に、凪は唇をとがらせてふいっと顔を逸らした。
要は凪の頭を掴み、グイッと顔を自分の方へ向ける。
一瞬凪の顔が歪む。
「凪。仕事を集中してやる事は別に良い。だけど、こういう無茶な事するのは止めてくれ。体壊すかもしれないから」
「……平気だよ」
「見てる方が心配なんだよ。銀も心配してるし。大体ここ入って来たときお前が倒れてて吃驚しただろ」
「……」
心配させまいと家以外で仕事してたのに…。と凪が内心呟く。
要はため息を吐くと、凪の頭を掴んでいた手を緩める。そして、軽く撫でる。
「だから、あんまり無理すんな」
心配するから、と凪の顔を覗き込んで言う。
凪はばつの悪そうな顔をすると、
「……うん。ごめん」
「解ればいい」
要は満足そうに笑うと、ぱっと手を離した。
そして、バスルームを指差すと、
「風呂入ってこい」
沸かしてあるから、と、くるりと凪の方向を転換させて促す。
凪ははーいと言うと、着替えを持ってバスルームに移動する。
その途中で、
「要ー」
「ん?」
「一緒に入る?」
「!!?」
意地悪な笑みを浮かべて言うと、要は驚いた様に赤面して、味みしていた味噌汁を吹いた。
熱っと悲鳴にも似た声をあげる。
凪はその反応にくすくす笑うと、
「冗談」
バスルームに入った。
三日ぶりに入る風呂はとても気持ちが良くて、出たときには一時間近く経っていた。
凪が濡れた髪をタオルで拭いながらバスルームから出ると、要が椅子に座りながら本を読んでいた。
もう帰ったと思っていたので、凪は僅かに驚きながら言った。
「帰らなかったの?」
「帰って欲しかったか?」
少し不機嫌に訊かれた言葉に、凪はぶんぶんと首を左右に振る。
そして、机の上に並べられている料理を見ると、顔を綻ばせ、食べていいの?と視線で問う。
返ってきた苦笑に、凪はタオルをソファに投げると、嬉々として椅子に座ると、いただきます、と手を合わせた。
三日殆ど何も食べて居なかったので、胃がうけつけやすいように少し味付けが薄かったり、ご飯が柔らかかったりと、食べやすいように工夫がしてある。
「おいしい」
にへっと笑って言うと、それは良かった、と返ってくる。
久しぶりの会話に、それだけで自然と頬が緩む。
不意に要が立ち上がって凪が投げたタオルを取って凪の後ろに立つと、凪の髪をやや乱暴に拭く。
「うん?」
どうしたの、と言う風にちらりと視線を向けると、
「風邪引くと厄介だろ?」
お前は食べてろ、と言った。
そして、さっきよりも優しく髪を拭う。
凪はうん、と呟くように返すと、黙々と食べ始めた。
要は凪の髪を乾かすと、櫛を入れてさらさらといじり始める。
「伸びたな」
「あー、大分ね」
高校の頃は肩につくかつかないか程度に切り揃えていたが、卒業してから全く手を入れていない。
あえて言うなら、枝毛を見かねた冷菜が毛先を切るくらいだ。
しかし今は、肩を余裕で越えて、背中に付いてしまっている。
「結ぶのも面倒だしなぁ……」
と、前髪を少量摘みながら言う。
凪の髪は細く、さらさらとしている為コツを掴まなければ結構結びにくい。
きつく結ばないと髪紐が下がって外れてしまうし、結んでいる最中にばらばらと落ちてくる事もある。
「切るのか?」
「んー…。どうしよう」
少し名残惜しそうな要の声に、凪は箸を置きながら答えた。
「要って何か髪の毛触るの好きだよね……」
髪フェチ?とぐいっと首を後ろに反らしながら問うと、要は少し苦い顔をして、そう言うわけじゃない、と答えた。
ふうんと少し探るような声で呟きながら、首を元に戻す。
そして、ごちそうさま、と言って、立ち上がって空になった食器に手を伸ばす。
その時後ろにいた要が少し慌ててどいて、食器を運ぶのを手伝う。
そして、食器を水につけた後、
「さて、寝るか」
洗い物は明日にして、と言って、要の手を取った。
「……凪」
「ん?」
「この手は何だ?」
「?寝るから」
「いや、俺帰るから」
「終電はもう無いと思うけどね」
「……」
「来る時は師匠の車で来たから、帰りは電車だろう?」
そう言って、笑う。
タクシーで帰る、と言おうとして、
「タクシー使っても良いけど、高いからね。今日はここに泊まって、明日電車で帰ればいいじゃないか」
まるで言わんとすることを読んだかのような台詞に、要は少し頭痛がした。
凪は決まり、と笑うと、壁にかけてあった電話を手にとって、フロントに連絡を入れた。
「……」
風呂に入って、ホテルが貸してくれたパジャマに着替えた要は、目の前の状況に悩んでいた。
この部屋には、ベッドがある。一つだけ。
ダブルサイズでは有るが、どうしたものか、と要は頭を抱えた。
その結果、要がソファーで寝るという提案をした。
したのだが、その提案に凪は首を傾げ、尚且つ不機嫌そうな顔で、
「要は僕と一緒に寝るのが嫌なの?」
と言った。
いや、決して嫌だとかそう言うわけではないが、と内心呟く。
口に出していえない自分が時々恨めしくなるが、そう言う性分なのだから仕方ない。
要は少し考えると、
「お前三日寝てないんだろ?ならゆっくり寝ろ」
「要がいてもゆっくり寝れる」
「いや、だから……」
「要が隣にいると落ち着くもん……」
むすっとした口調。
思わず可愛いな、と思い、慌てて払う。
今はそんなことを考えているより、如何にして凪と別々で寝るか、だ。
だが、
「ねえ、要」
一緒に寝よう?
少し寂しそうに、首を傾げて言う凪に、これが演技だと解っていたとしても、要は首を縦に振らざるをえなかった。
嬉しそうに笑った凪を見て、自分の顔を思いっきり殴ってしまいたくなった。
そして、今にいたる。
凪は嬉しそうに要にぴたっとくっ付いていて、要は少し距離をとろうと必死だったが、少しでも離れようとすると凪が寂しそうに見上げるので、結局離れられないままだった。
例えそれの半分以上が演技だと解っていても、断れない自分がかなり恨めしい。
それでも、ニコニコと笑って自分にくっついてくる凪を見て、観念したように溜息を吐くと、凪の髪を撫でる。
凪はそれに少し驚いたように要を見上げたが、すぐに嬉しそうに笑ってぎゅうっと要の服を握る。
さらさらと指の間を流れるように落ちていく髪を見ながら、要は少し目を細めて、
「髪、切るのか?」
「うーん……。要が結ってくれるなら切らない」
「……」
「どうする?」
「……今度剥いてやる」
遠まわしの肯定の言葉に、凪はくすくす笑って、ありがとう、と言う。
そして、とろんとした目で要を見ると、
「ねえ要ー」
「ん?」
「あいしてるー」
と、囁くように呟いて、そっと瞼を閉じた。
要は不意に言われた言葉に少し顔を赤くすると、格好悪い、と溜息交じりで愚痴の様に呟く。
そして、再び凪の髪に触れると、
「別に誰の髪でも良いわけじゃないからな……」
と、小声で、凪に聞こえないように言った。
そして恐らく真っ赤になっている顔を考え、少し苦笑する。
少しだけ、起こさない程度に凪を抱き寄せると、小さな声でお休み、と言って目を閉じた。
髪の毛の先まで、愛しい人。
後書き
甘ッ!!!!!!
長ッ!!!!!!!!!
いや、個人的にいっぱいいっぱいだ……ぐはッ!!
いや、ここまで読んでくれた人には本当に感謝です。
ちなみにこの凪と要はちゃんと付き合ってる設定です。
某Aさんを相変わらず勝手に(オイコラ)入れたかったけど、入れる余地なしだった。
寧ろこの話に入れたらいろんな意味でかわいそうだな!!
だってまさかこんな終わり方になるとは……!←え
よろしければ突っ込み募集しております~。
この小説に対する(え。
まあ、ここまで読んでくださったかた、有難う御座いました。
凪はノートパソコンのディスプレイを見ながら、淡々とキーを打ち込んでいく。
その作業が一段落した所で、僅かに視界にかかっている前髪に触れ、そして、べたっとした決して快くない、寧ろ不快な感触に思わず眉根を寄せて手を止めた。
そういえば、部屋にこもってどれくらい経っているのだろう、と思い、視線を右にずらす。
が、遮光性のカーテンがしっかりと光を遮っているので今が昼なのか夜なのか解らない。
カレンダーを見てもそもそもどれくらいの時間が経っているのか解らないので、今が何日か解るはず無い。
パソコンの時計は設定してない。
凪は溜め息を吐くと、充電しっぱなしで放置していた携帯を取ろうと立ち上がった。
――べしゃっ
「……」
歩き出そうとした瞬間、思いっきりこけた。
足の感覚がおかしい。
凪は憮然とした表情をすると、腕の力だけで這うようにして進む。あまり人に見せたくない姿ではある。
のそのそと携帯にたどり着き、電源を入れる。
しばらくして表示された日付に、凪は自分が3日もこもっていた事に少し驚き、まあでもそんな物かと、ゴミ箱の中に山になっている栄養剤の容器を見て思う。
凪は起きあがると、風呂に入ろうかと思い、そういえば3日寝てもいないのだったと思い出して風呂で寝るかもなぁと考えた。
そして再び床に倒れ込む。
しばらくして、定期的な寝息が聞こえ始めた。
「――ん」
目を覚ました時、凪はベッドの上にいた。
しっかりと閉めてあった筈のカーテンは開けられていて、月明かりがうっすら差し込んでいる。
凪はぼうっと起き上がり、辺りを見回す。
そして、何やら良い香りがする事に首を傾げた。
ここは凪の家では無く、ホテル――小さなキッチンが付いていて、少し長い出張の人などが利用するらしい――なのだ。
師匠である涼だろうかとも考えたが、直ぐに有り得ないと首を振る。
そろりとベッドから下りて、香りがする方を覗く。
「要……?」
凪が少し驚きながら台所に立っていた人物の名前を呼んだ。
要は鍋をかき混ぜていた手を止めて振り返ると、おはよう、と言った。
凪は一瞬面食らうと、
「あ、ああ、うん。おはよ。――じゃ、なくて、何でいるの?」
要には宿泊場所を教えていない筈だ。
言うと、
「涼さんが連れてきてくれた」
「……ああ」
「何かそのパソコンから涼さんがデータ抜いてってたぞ。依頼先に届けるって」
「……それは助かるよ」
凪は息を吐いて言った。
ここのホテルをとったのは涼だから、場所を知っていて当然だし、合い鍵か何か持っていてもおかしくは無いし。
そして、ちらっと要を伺う。
要は凪を見て、ため息を吐いて、
「で?お前は3日間、ここに籠もって何してたんだ?」
「…仕事」
「じゃ、無くてだな。訊き方変える。3日間何食った?」
「……栄養」
「何時間寝た?」
「……解んない」
「栄養剤食って睡眠0なんだな」
「……」
「お前なぁ…」
半ば呆れ気味の要に、凪は唇をとがらせてふいっと顔を逸らした。
要は凪の頭を掴み、グイッと顔を自分の方へ向ける。
一瞬凪の顔が歪む。
「凪。仕事を集中してやる事は別に良い。だけど、こういう無茶な事するのは止めてくれ。体壊すかもしれないから」
「……平気だよ」
「見てる方が心配なんだよ。銀も心配してるし。大体ここ入って来たときお前が倒れてて吃驚しただろ」
「……」
心配させまいと家以外で仕事してたのに…。と凪が内心呟く。
要はため息を吐くと、凪の頭を掴んでいた手を緩める。そして、軽く撫でる。
「だから、あんまり無理すんな」
心配するから、と凪の顔を覗き込んで言う。
凪はばつの悪そうな顔をすると、
「……うん。ごめん」
「解ればいい」
要は満足そうに笑うと、ぱっと手を離した。
そして、バスルームを指差すと、
「風呂入ってこい」
沸かしてあるから、と、くるりと凪の方向を転換させて促す。
凪ははーいと言うと、着替えを持ってバスルームに移動する。
その途中で、
「要ー」
「ん?」
「一緒に入る?」
「!!?」
意地悪な笑みを浮かべて言うと、要は驚いた様に赤面して、味みしていた味噌汁を吹いた。
熱っと悲鳴にも似た声をあげる。
凪はその反応にくすくす笑うと、
「冗談」
バスルームに入った。
三日ぶりに入る風呂はとても気持ちが良くて、出たときには一時間近く経っていた。
凪が濡れた髪をタオルで拭いながらバスルームから出ると、要が椅子に座りながら本を読んでいた。
もう帰ったと思っていたので、凪は僅かに驚きながら言った。
「帰らなかったの?」
「帰って欲しかったか?」
少し不機嫌に訊かれた言葉に、凪はぶんぶんと首を左右に振る。
そして、机の上に並べられている料理を見ると、顔を綻ばせ、食べていいの?と視線で問う。
返ってきた苦笑に、凪はタオルをソファに投げると、嬉々として椅子に座ると、いただきます、と手を合わせた。
三日殆ど何も食べて居なかったので、胃がうけつけやすいように少し味付けが薄かったり、ご飯が柔らかかったりと、食べやすいように工夫がしてある。
「おいしい」
にへっと笑って言うと、それは良かった、と返ってくる。
久しぶりの会話に、それだけで自然と頬が緩む。
不意に要が立ち上がって凪が投げたタオルを取って凪の後ろに立つと、凪の髪をやや乱暴に拭く。
「うん?」
どうしたの、と言う風にちらりと視線を向けると、
「風邪引くと厄介だろ?」
お前は食べてろ、と言った。
そして、さっきよりも優しく髪を拭う。
凪はうん、と呟くように返すと、黙々と食べ始めた。
要は凪の髪を乾かすと、櫛を入れてさらさらといじり始める。
「伸びたな」
「あー、大分ね」
高校の頃は肩につくかつかないか程度に切り揃えていたが、卒業してから全く手を入れていない。
あえて言うなら、枝毛を見かねた冷菜が毛先を切るくらいだ。
しかし今は、肩を余裕で越えて、背中に付いてしまっている。
「結ぶのも面倒だしなぁ……」
と、前髪を少量摘みながら言う。
凪の髪は細く、さらさらとしている為コツを掴まなければ結構結びにくい。
きつく結ばないと髪紐が下がって外れてしまうし、結んでいる最中にばらばらと落ちてくる事もある。
「切るのか?」
「んー…。どうしよう」
少し名残惜しそうな要の声に、凪は箸を置きながら答えた。
「要って何か髪の毛触るの好きだよね……」
髪フェチ?とぐいっと首を後ろに反らしながら問うと、要は少し苦い顔をして、そう言うわけじゃない、と答えた。
ふうんと少し探るような声で呟きながら、首を元に戻す。
そして、ごちそうさま、と言って、立ち上がって空になった食器に手を伸ばす。
その時後ろにいた要が少し慌ててどいて、食器を運ぶのを手伝う。
そして、食器を水につけた後、
「さて、寝るか」
洗い物は明日にして、と言って、要の手を取った。
「……凪」
「ん?」
「この手は何だ?」
「?寝るから」
「いや、俺帰るから」
「終電はもう無いと思うけどね」
「……」
「来る時は師匠の車で来たから、帰りは電車だろう?」
そう言って、笑う。
タクシーで帰る、と言おうとして、
「タクシー使っても良いけど、高いからね。今日はここに泊まって、明日電車で帰ればいいじゃないか」
まるで言わんとすることを読んだかのような台詞に、要は少し頭痛がした。
凪は決まり、と笑うと、壁にかけてあった電話を手にとって、フロントに連絡を入れた。
「……」
風呂に入って、ホテルが貸してくれたパジャマに着替えた要は、目の前の状況に悩んでいた。
この部屋には、ベッドがある。一つだけ。
ダブルサイズでは有るが、どうしたものか、と要は頭を抱えた。
その結果、要がソファーで寝るという提案をした。
したのだが、その提案に凪は首を傾げ、尚且つ不機嫌そうな顔で、
「要は僕と一緒に寝るのが嫌なの?」
と言った。
いや、決して嫌だとかそう言うわけではないが、と内心呟く。
口に出していえない自分が時々恨めしくなるが、そう言う性分なのだから仕方ない。
要は少し考えると、
「お前三日寝てないんだろ?ならゆっくり寝ろ」
「要がいてもゆっくり寝れる」
「いや、だから……」
「要が隣にいると落ち着くもん……」
むすっとした口調。
思わず可愛いな、と思い、慌てて払う。
今はそんなことを考えているより、如何にして凪と別々で寝るか、だ。
だが、
「ねえ、要」
一緒に寝よう?
少し寂しそうに、首を傾げて言う凪に、これが演技だと解っていたとしても、要は首を縦に振らざるをえなかった。
嬉しそうに笑った凪を見て、自分の顔を思いっきり殴ってしまいたくなった。
そして、今にいたる。
凪は嬉しそうに要にぴたっとくっ付いていて、要は少し距離をとろうと必死だったが、少しでも離れようとすると凪が寂しそうに見上げるので、結局離れられないままだった。
例えそれの半分以上が演技だと解っていても、断れない自分がかなり恨めしい。
それでも、ニコニコと笑って自分にくっついてくる凪を見て、観念したように溜息を吐くと、凪の髪を撫でる。
凪はそれに少し驚いたように要を見上げたが、すぐに嬉しそうに笑ってぎゅうっと要の服を握る。
さらさらと指の間を流れるように落ちていく髪を見ながら、要は少し目を細めて、
「髪、切るのか?」
「うーん……。要が結ってくれるなら切らない」
「……」
「どうする?」
「……今度剥いてやる」
遠まわしの肯定の言葉に、凪はくすくす笑って、ありがとう、と言う。
そして、とろんとした目で要を見ると、
「ねえ要ー」
「ん?」
「あいしてるー」
と、囁くように呟いて、そっと瞼を閉じた。
要は不意に言われた言葉に少し顔を赤くすると、格好悪い、と溜息交じりで愚痴の様に呟く。
そして、再び凪の髪に触れると、
「別に誰の髪でも良いわけじゃないからな……」
と、小声で、凪に聞こえないように言った。
そして恐らく真っ赤になっている顔を考え、少し苦笑する。
少しだけ、起こさない程度に凪を抱き寄せると、小さな声でお休み、と言って目を閉じた。
髪の毛の先まで、愛しい人。
後書き
甘ッ!!!!!!
長ッ!!!!!!!!!
いや、個人的にいっぱいいっぱいだ……ぐはッ!!
いや、ここまで読んでくれた人には本当に感謝です。
ちなみにこの凪と要はちゃんと付き合ってる設定です。
某Aさんを相変わらず勝手に(オイコラ)入れたかったけど、入れる余地なしだった。
寧ろこの話に入れたらいろんな意味でかわいそうだな!!
だってまさかこんな終わり方になるとは……!←え
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